50代から「海外二重生活」に挑戦する日記

日本を出て、もっとゆっくり、幸せに暮らしたい。私たち夫婦は海外と二重生活ができるように、場所を選ばない仕事「コーチ」「不動産」をしながら、日本と海外の二重生活を目指します。

【クリスマス特集】 隣の20代の二人に、自分が無くしたものを見る、の巻。


クリスマスのパンケーキ屋は、
若いカップルでいっぱいだった。

去年の12/25、私は大学院試験の準備で
カフェで勉強をしていた。

この時期、どこのカフェも「センター試験対策」の
赤本やらを抱えた受験生がおり、
カフェには迷惑な客だったようだ。
【お客様、お勉強はお断りです】と、邪険にされた。

「勉強ジプシー」だった。いや、
家なき子」とも言えるだろうか。
 
wandering = 彷徨う という英単語がピッタリだ。

行き場がない私は、
オシャレな「パンケーキ屋」の片隅で勉強する
ことにした。
「ドリンクバー」がついているので、長居できた。

 

ムム、なぜ、人間観察したくなる二人が隣に
来てしまうのだろうか。

いや、そもそも、クリスマスの日に、
パンケーキ屋に行く時点で、勉強には不適切な
場所だった。

20代の純朴そうな男子と、かわいい女子だった。
かわいいな、この女子。

クリスマスに、めい一杯オシャレをしている
緊張している二人。

やったな、純朴男子。

私は隣で教科書を開きながらも、隣の二人を
観察する技術があるのだ。

まるで、
往年の星野仙一監督のように、目で激励を飛ばす私。
好投を続けるルーキーのピッチャーに伝えるだろう。

「いいぞ、その調子で行け」

パンケーキが来た。
わー、生クリームいっぱいだね。
美味しそう。

そして、男子は、プレゼントを渡した。
はい、とだけ言って、素っ気なく渡す男子。

手袋とペンダントだった。

正しい、正当派のクリスマスだ。
私は感動していた。

パンケーキを食べて、プレゼントを交換する。

わー、いいの?
これ、かわいいよね。
こんなの欲しかったんだ。
あったかいね。
ありがとう。
二つも買ってくれたんだね。

この女子は、素直に喜ぶ子だった。
いい子じゃない、この女子。
かわいい+性格も良さそうよ。
「いい子じゃない~」と純朴男子の肩を
バンバン叩きたくなった。

おや?
しかし、私は一つの疑念が沸いた。
この近くのビルは
「オタク系の若者」が集まる商業施設がある。
よく、「地下」アイドルイベントをしていた。

彼女は可愛すぎる。

二人はカップルではなく、
【 地下アイドル & ただのファン 】

ということは考えられないか。

新手の「同伴出勤」なのではないだろうか。

この純朴な青年が、こんなカワイイ子に
声をかけられるだろうか。

そんな疑念が沸いてきた。

ドリンクバー3杯目を取りに行き、
もう一度二人を見てみる。

ブンブンブンと、頭を振った。

ごめんなさい。
二人を疑った自分が恥ずかしい。

真偽のほどは分からないが、
カップルなのだ、と思いたい。

きっと、この男子が、このカワイイ子に
頑張って告白したのだ。

こんな疑いを持つこと自体が、
大人の垢がついている、ということだ(笑)
どれだけ、純粋な気持ちを失ったのだろうか、私は。

心が洗われるようなシーンだった。
それでいいじゃないか。

この男子、バイト代で手袋とペンダントを
買ったんだろうな。

やっぱり私の目は、
往年の星野仙一監督のようだった、はずだ。

隣の席から、目で激励していたのだから。